こんにちは!
元消防士で、今は防災業務の仕事をしている朔です。
主に、私が消防士の時に疑問になったことを解説していくブログになりますので、よろしくお願いします。
今回は、収容人員の算定を解説していきます。
収容人員
収容人員とは?
防火対象物を使用する人数を算定して、消防法の様々な規制の有無を判定する材料になります。
実際にその建物を使う人数のこと?
そうやって算定するのもあるけど、長さや面積によってそれくらいの人数が使うだろうって「みなして」算定することもあります。
従業員の数や利用者の数などで算定するのですが、項ごとに算定方法が決まっています。
収容人員の算定方法【消防法施行規則第1条の3】
項ごとの算定方法は以下の表のとおりです。
最初は、分かりずらいと思うので、簡単に記載します。
項 | 区分 | 算定方法 |
1 | イ | ①従業員の数 ②客席の部分ごとに算定した数の合計数 ・固定いす→いすの数 ・長いす→幅0.4mごとに1人 ・立見席→0.2㎡ごとに1人 ・その他の部分→0.5㎡ごとに1人 |
2、3 | 遊技場 | ①従業員の数 ②機械器具を使用して遊戯を行うことができる数 ③観覧、飲食又は休憩する部分 ・固定いす→いすの数 ・長いす→幅0.5mごとに1人 |
その他 | ①従業員の数 ②客席の部分ごとに算定した数の合計数 ・固定いす→いすの数 ・長いす→幅0.5mごとに1人 ・その他の部分→3㎡ごとに1人 | |
4 | ①従業員の数 ②従業員以外が使用する部分の数の合計数 ・飲食又は休憩する部分→3㎡ごとに1人 ・その他の部分→4㎡ごとに1人 | |
5 | イ | ①従業員の数 ②宿泊室ごとに算定した数の合計数 ・洋室→ベッド数 ・和室→6㎡ごとに1人 ※簡易宿泊などは3㎡ごとに1人 ③集会、飲食又は休憩する部分 ・固定いす→いすの数 ・長いす→幅0.5mごとに1人 ・その他の部分→3㎡ごとに1人 |
ロ | 居住者の数 | |
6 | イ | ①医師、看護師などの従業員の数 ②病床の数 ③待合室の部分→3㎡ごとに1人 |
ロ、ハ | ①従業員の数 ②利用者の数 | |
二 | ①教職員の数 ②生徒の数 | |
7 | ①教職員の数 ②学生の数 | |
8 | ①従業員の数 ②閲覧場など従業員以外も使用する部分→3㎡ごとに1人 | |
9 | ①従業員の数 ②浴場など従業員以外も使用する部分→3㎡ごとに1人 | |
10 | 従業員の数 | |
11 | ①神職など従業者の数 ②礼拝など従業員以外も使用する部分→3㎡ごとに1人 | |
12、13、14 | 従業員の数 | |
15 | ①従業員の数 ②応接室など従業員以外も使用する部分→3㎡ごとに1人 | |
16 | 各項の算定基準によって算出 | |
17 | 床面積5㎡ごとに1人 |
収容人員の算定方法の例題
👆の表だと、〇㎡ごとに1人、〇mごとに1人とか書いてあってどういうこと?って思いますよね。
例を記載していきます。
【条件】
スーパーマーケット(4項)、平屋建て、床面積100㎡、
お客さんが使うのは売り場のみで飲食スペース無し(60㎡)、従業員の数は10人
①従業員の数は10人
②飲食スペース無しで従業員以外は売り場のみだから面積を4㎡で割ると、
60㎡÷4㎡=15人
③合計:10人+15人=25人
よって、このスーパーマーケットの収容人員は25人となります。
ちなみに飲食と休憩の場所があった場合は、その面積を3㎡で割ったものを合計人数に加算します。
まとめ 項ごとの算定方法に気を付けよう!
収容人員の算定は、単純に建物を使う人数を出すというわけではありません。
例えば、倉庫(14項)は従業員の数しか算定しませんが、商談などで従業員以外が利用する機会もありますよね?
そういう実態があったとしても14項と判定されれば、従業員の数だけの算定でよくなります。
こういった矛盾がありますが、日ごとに利用者の数が違いますし、全ての建物を実態で把握するのは困難だと思います。
あくまで人数を「みなす」ために、表のように決められています。
詳しく解説した記事を今後書きたいと思いますので、興味が出た方は見てください。
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