こんにちは！
元消防士で、今は防災業務の仕事をしている朔です。
主に、私が消防士の時に疑問になったことを解説していくブログになりますので、よろしくお願いします。
今回は、消防用設備等点検について解説していきます。
消防用設備等点検とは？
消火器や自動火災報知設備などの消防用設備等の設置が義務付けられている建物は、定期的に点検しないといけません。
点検を簡単に言うと、消防用設備等が問題なく使用できることや外観が大きく変形していないことを確認することです。
これは、法令で定められています。
第十七条第一項の防火対象物（政令で定めるものを除く。）の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等（第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能）について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。
消防法第17条の3の3
つまり、政令で定める防火対象物は、定期的に、消防用設備等を点検し、報告しなければなりません。
点検が必要な防火対象物とは？
消防法施行令別表第1に掲げる防火対象物すべて点検が必要です
ただし、20項(舟車)を除きます。
例えば、小規模な建物で誘導標識のみが設置義務となっている防火対象物も点検をしなければなりません。
点検をする時期は？
点検は、どの防火対象物も年に2回実施しなければなりません。
点検の種類は、「機器点検」と「総合点検」の2種類があります。
①機器点検→半年に1回
②総合点検→1年に1回
つまり、機器点検のみ実施する時が年に1回、機器点検と総合点検を一緒に実施する時が年に1回あるということです。
基本的には、総合点検の時に機器点検を一緒に実施しています。
何を点検するのか？
①機器点検では、損傷等の有無や適正な配置などを点検します。
例えば、消火器の有効期限が切れていないか、屋内消火栓設備の箱が変形していないかを点検します。
②総合点検では、有効に作動できるかなどを点検します。
例えば、スプリンクラー設備の放水圧力が規定値以上であるか、非常電源に切り替えた状態で屋内消火栓設備のポンプが起動するかなどを点検します。
報告とは？
点検を実施したら、所轄の消防長又は消防署長に点検結果を届出をしなければなりません。
点検を実施したら、毎回届出をする訳ではありません。
①特定防火対象物→1年に1回
②非特定防火対象物→3年に1回
となっています。
特定防火対象物は、1年に1回なので総合点検の結果を毎年届出しなければなりません。
非特定防火対象物は、3年に1回なので、いつ届出したか忘れがちになってしまいます。メモを取るなりで忘れないようにする必要があります。
誰が点検するの？
①特定防火対象物→1,000㎡以上
②非特定防火対象物→1,000㎡以上(所轄消防が定めたもの)
③特定1階段防火対象物
👆の①～③は、「消防設備士」や「消防設備点検資格者」でなければ、点検できません。
それ以外の建物は、資格が無くても点検して報告できます。
非特定防火対象物で1,000㎡以上の建物の場合は、管轄の消防署に資格が必要か確認しましょう！
まとめ 点検を侮らないで！
今回は、消防用設備等の点検を簡単に解説しました。
予防担当者は、設置に力を入れがちなのですが、維持管理を侮らないでください。
維持管理をしないと、せっかく設置していても、いざという時に使えなかったら設置している意味がありませんよね。
消防用設備等は設置する時だけ費用が掛かるものだと思うかもしれませんが、点検や修繕といった維持管理にも莫大な費用が発生します。
費用面を考慮して、業者と対話した方が、良い協議になると思っています。
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