防火対象物の用途は奥が深い【1項~5項】

防火対象物

こんにちは!

元消防士で、今は防災業務の仕事をしている朔です。

主に、私が消防士の時に疑問になったことを解説していくブログになりますので、よろしくお願いします。

前の記事で「消防法第2条」と「消防法施行令別表第1」の防火対象物を解説しました。

今回は、消防法施行令別表第1に掲げる防火対象物の用途を解説していきます。

この記事では、1項から5項までを書いていきます。

用途によって、どの項に当てはまるかを探していくのが予防業務の基本になります。

注意してほしいのは、消防本部によって項判定の取扱いが違うってことです。

例えば、展示場を4項と判定する消防本部もあれば、15項と判定する消防本部もあります。

項判定を間違えると、法令の規制が大きく変わってくるので、実は凄く重要な項目なのです。

(私は、項判定を間違えて、結構な問題になったことがあります…)

建物の名称で判断しないで、実態をしっかりとヒアリングして適切な項判定をしていけるようになりましょう!

1項 映画館など

1項は「イ」、「ロ」に区分されます。

【1項】【用途例】
映画館、観覧場、劇場、競輪場、体育館
公民館、集会場、県民会館

1項イは、野球場といった多くの人が客席で、興行を観覧する建物

1項ロは、公民館といった集会、会議、社交などを目的とする建物のイメージですね!

消防本部によっては、市の貸ホール施設を15項と判定しているところもあるので、人が集まるからといって1項とはならないので注意しましょう。

2項 パチンコ店など

2項は「イ」、「ロ」、「ハ」、「二」に区別されます。

【2項】【用途例】
キャバクラ、ナイトクラブ、バー、ランジェリーパブ
パチンコ店、雀荘
ファッションヘルス、SMクラブ
カラオケ、漫画喫茶、個室ビデオ

2項は、騒音や衣類を脱衣していることによって、火災が起きてもすぐに逃げられないような建物が該当します。

パチンコ店やカラオケのように周囲の音が大きいところで、火災があっても気付きにくいのは想像できるかなと思います。

3項 飲食店など

3項は「イ」、「ロ」に区分されます。

【3項】【用途例】
料亭、茶屋、割烹
喫茶店、スナック

3項は、飲食をする場所が該当します。

3項イは、2項イと同種ですが、客席の構造が和室のものになります。

平成28年に新潟県の糸魚川市でラーメン店から出火して、大規模火災になったように火気を取り扱う建物が多いため、火災になりやすいのが特徴です。

4項 コンビニなど

4項に区分はありません。

用途例は、「百貨店」「スーパーマーケット」「コンビニ」「家具店」となります。

3項と一緒で皆さんの身近にある生活に無くてはならない建物が該当します。

大規模な店舗だと大勢の人で賑わっているので、火災が起きたらパニックになりやすいのが特徴です。そのため、スプリンクラー設備などの設置基準が厳しいのも特徴です。

5項 ホテルなど

5項は「イ」「ロ」に区分されます。

【5項】【用途例】
ホテル、保養所、レンタルルーム、モーテル
共同住宅、寮

5項は宿泊をさせる建物が該当します。

イとロの違いは、生活の居住性が有るか無いかで判断できますね。

共同住宅は居住者が階段の位置などを分かっているから避難しやすいですが、ホテルは一見さんばっかりで避難する場所なんて咄嗟に分からないですよね。

もちろん、5項イの方が消防法の規制は厳しいです。

項判定を大事にしましょう!

今回は、1項から5項までを解説しました。

次回は、個人的に一番難解だと思う6項を解説します。

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