こんにちは!
元消防士で、今は防災業務の仕事をしている朔です。
主に、私が消防士の時に疑問になったことを解説していくブログになりますので、よろしくお願いします。
今回の記事は、消防法施行令別表第1に掲げる防火対象物の16項から20項までを解説していきます。
中でも大事なのは、16項イとロになります。
16項 複合用途防火対象物
16項は「イ」と「ロ」に区分されます。
異なる用途が混在する建物が該当し、16項以外の項を「単項」と呼ぶこともありますので、今後はそう書いていきます。
16項イ 特定複合用途防火対象物
16項イは、異なる用途が混在する中に特定防火対象物が含まれる建物です。
例えば、1階がスーパーマーケット(4項)で2階が共同住宅(5項ロ)のように、特定防火対象物(4項)がある建物です。
中には、自分の住宅の一部を飲食店にしている個人経営の店も、規模によっては16項イと判定するケースがあります。
単項に比べて、各用途ごとと建物自体への両面に対して、消防法の規制が対象となるため、より複雑となってきます。
特定防火対象物については、別の記事で解説していきます。
16項ロ 非特定複合用途防火対象物
16項ロは、混在する異なる用途が非特定防火対象物で構成される建物です。
例えば、1階が事務所(15項)で2階が共同住宅(5項ロ)のように、異なる用途が非特定防火対象物のみである建物です。
16項イと同じように、自分の住宅の一部を事務所にしている個人経営の店も、規模によっては16項ロと判定するケースがあります。
消防法の規制が複雑なのは、16項ロも同様です。
非特定防火対象物については、別の記事で解説していきます。
16の2項 地下街
16項の2項は、地下街が該当します。
定義としては、「地下の工作物内に設けられた店舗、事務所その他これらに類する施設で、連続して地下道に設けられたものとその地下道とを合わせたもの」となります。
要は、地下に商店街などが形成されていると16の2項に該当します。
有名なところでいうと、東京都にあるヤエチカ(八重洲地下街)がありますね。
地下は、火災が起きた時に煙が充満して、避難しづらいのは想像できますよね。
そのため、消防法の規制も厳しくなっています。
16の3項 準地下街
16の3項は、準地下街が該当します。
定義としては、「建築物の地階(地下街の各階を除く。)で、連続して地下道に面して設けられたものとその地下道とを合わせたもの(特定防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)」となります。
例えば、ビルとビルを地下道で繋いでいるものが準地下街となるケースがあります。
こちらも地下街と同様に消防法の規制が厳しくなっています。
17項 重要文化財など
17項は、重要文化財などといった構造物が該当します。
今までの項と違って、建物に限定されないものとなります。
「重要」と付くように、文化財が全部該当する訳ではないのを注意しましょう!
鎌倉の鶴岡八幡宮といった有名な文化財もありますし、市町村が指定している地元民しか知らないような指定文化財もありますので、意外と身近にあるものです。
18項 アーケード
18項は、延長50m以上のアーケードが該当します。
こちらも建物に限定されるものではありません。
ちなみにアーケードとは、「建築物、工作物その他の施設で、日よけ、雨よけ又は雪よけのため、路面上に相当の区間連続して設けられる公益上必要なもの」となります。
「公益上必要なもの」という文言があるので、全てのアーケードが該当する訳ではありません。
19項 山林
19項は、市町村長の指定する山林です。
こちらは、山林なので消防用設備等の設置義務はありません。
まぁ、設置しようがないですよね。
20項 舟車
20項は、総務省令で定める舟車です。
こちらは、「舟」や「車両」が該当します。
舟
該当するのは、「総トン数5トン以上の舟で、推進機関を有するもの」です。
ただし、船舶安全法第2条第1項の適用を受けないものに限ります。
「係留中の船舶」や「国などが保有する災害発生時に使用する救助用の船舶」などが該当します。
車両
該当するのは、「関係法令の規定又は命令により消火器具を設置するこことされる車両」です。
関係法令とは、
①鉄道営業法
②軌道法
③道路運送車両法
となります。
この3つで消火器具の設置が義務付けられている車両は、ある条件がある貨物車だったり火薬を多量に運送する自動車などが該当します。
関係法令を確認しないと項判定ができないので、上述した3つの法令を読んでおきましょう!
まとめ お疲れ様でした!
今回は16項から20項までを解説しました。
正直な話、16の2項~20項は携わる機会が少ないと思うので、勉強の優先順位は低いです。
余裕があったら、勉強するぐらいで良いと思います。
今回の記事で解説した中で、重要なのは16項です。
様々な要因で、16項だと思ったら単項になるケースもありますので、今後詳しく解説していきたいと思います。
項判定の解説にお付き合いいただきましてありがとうございました。
皆様の予防業務への第一歩となれる記事になったなら大変嬉しく思います。
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